うちの箱入り娘



うちの箱入り娘


 猫は箱の中が好きだ。

 インターネットで、うれしそうに箱や鍋の中へ収まっている画像を見かける。
 そして、それはうちの猫も例外ではないらしい。

 空のダンボールを置いていると、周囲を歩き回ってにおいを嗅ぐ。
 それから注意深く、ゆっくりと中へ入る。

 のそのそと動き回って、落ち着く場所を探す。ちょうどいいポジションが見つかると、中で何をするというわけでもなく、澄まして座っている。

 ごろごろのどを鳴らしているからうれしいのだろう。ときどき目を細めてダンボールの角に顔を擦り付けたりしている。


 うちの猫は紙袋も大好きだ。

 買い物で紙袋が手に入ると、これは猫の遊び道具として使われることになる。

 まずは、持ち手の部分を切らなければならない。うちの猫が引っかかって怪我をしたらいけないから、この作業は必須だ。

 それが終わったら、後は床に置くだけ。猫が気づくのを待っていればいい。

 うちの猫が紙袋を見つける。
 そこからは一瞬だ。

 観察したり、においを嗅いだり、というのはない。
 ダッダッダッと何の迷いもなく猫は走り出して、ズサーッと紙袋の中へ滑り込む。あっという間に、体が隠れてしまう。

 すぐに猫のテンションがMAXになる。

 袋の奥で暴れまわり、べちんべちんと大きな音を立てて内側から叩く。袋の形が変わる。「フニャァ!」というような鳴き声が聞こえる。ときおり、お尻と後ろ足が見え隠れしたりする。

 あんまり暴れるので、紙袋ごと動き回ったりもしている。
 もう、手のつけようがない状況だ。

 こういうとき、うかつに触ろうとしてはいけない。
 周りを歩くだけで、袋の中からべちん! と反応がある。手を入れると、「なんか来た!」とばかりに飛び掛ってきてしまう。

 気が済んで落ち着くまで放っておくしかない。


 しばらくすると、猫は疲れておとなしくなる。

 袋の奥でぐったりとして、触っても何の反応もなくなる。僕が紙袋を持ち上げても、されるがままだ。
 紙袋を通して伝わる猫の重みは妙に心地いい。

 なんだかうれしくなって、

「このまま出かけてみましょうか」

 と言ってみたりする。

 庭で紙袋をそっとおろすと、猫が中から出てくる。

 ちょっと伸びをして、「何かあったのかしら?」という表情。ひととおり遊んだから、紙袋にはもう反応しない。

 ごろんと寝転がって、毛づくろいをはじめる。

「今日はよく遊びましたねー」

 と僕が言うと、うちの猫は満足した様子であくびをしていた。

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小説家になろうに、猫のエッセイを投稿しています。
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うちのかわいいかわいい猫
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