元気なシマシマシッポとうちの猫


元気なシマシマシッポとうちの猫


 台風はニュースで騒いでいたほど大きいものではなかったようだ。
 僕の住んでいる地域は直撃コースから外れていたというのもあるのだろう。
 それでも風は強かったし、雨も降っていた。
 結局心配になって、シマシマシッポとボスは家の中に入れることにした。

 リビングに入るとボスはゴロリと転がる。
 落ち着きながらも控えめにアピールをしていた。

「家の中に入って大丈夫かな? いいよね?」

 という感じだ。

 シマシマシッポはダダダと走って部屋を一周すると、すぐに戻ってきて、ボスのそばに寝転んだ。
 何を考えているかはわからない。
 とにかくテンションがあがっているようだ。

 シマシマシッポがボスへ前足を伸ばす。
 ちょいちょいとつつくと、ボスはチラッと視線を向けて、すっとそらす。
 面倒くさいのか、寝転んだまま、無視していた。
 すると、シマシマシッポが後ろ足で立ち上がるようにしてからだを持ち上げる。そして、前足を揃えてボスに叩きつけた。

 ――おいおい、ちょっと……何してるんですか……。

 ボスが飛び起きて威嚇する。

「クワッ!」

 鳴いただけでシマシマシッポはひっくり返ってしまった。
 反撃をするようすはない。
 だが反省するようすもない。

「遊んでもらえた!」

 という感じでボスを見つめていた。

「あはは、そんなことばっかりやってると、そのうち本気で怒られますよ」

 シマシマシッポも大きくなってきたけれど、ボスに勝てるようではない。
 からだを触ってもフニャフニャだ。
 ボスのからだ、特に肩のあたりを触ると筋肉の手応えを感じる。
 そういうものが、シマシマシッポにはまったくないのだ。
 ケンカをしたら、ひとたまりもないだろう。

 その後、シマシマシッポは靴下をくわえてきて、ひとりで遊んでいた。
 自分でつついて動かして、「なんか動いた!」と熱中している。
 飛びついて、あとずさって、靴下と一緒になって転がって……。
 見ていて思わず笑ってしまう光景だった。

 翌日の朝、ボスとシマシマシッポを外に出した。

 ――結局、台風はたいしたことはなかったですね。心配しすぎたかもしれません。

 ゆっくりと歩くボスを、慌てて追いかけるようにして、シマシマシッポが走っていった。


 数日後、リビングの掃除をしていたときのことだ。

 ――ふう、ひととおり掃除機もかけ終わりましたね。

 埃っぽいような気がしたので、リビングにある窓をすべて開けていた。
 それをひとつずつ閉めてまわる。
 そうして、コーヒーでも飲もうかと振り返ると、床にシマシマシッポが寝ていた。

「あー、勝手に入って!」

 家の中に入っても大丈夫だと思ってしまったようだ。

 ――困りましたねー。

 しかも、ものすごくリラックスしている。
 上半身は横を向いているが、下半身はあお向けだ。足を大きく開き、「大」の字ならぬ「上」の字になっている。
 そうして、目を閉じている。

 ――飼い猫でもこんなに無防備な寝方をする猫は珍しいんじゃないですか……。警戒心はないんですか……?

 近づいてお腹を触ると、じわっと前足を動かして、僕の手に触れた。
 まったく力が入っていない。
 目も閉じたまま。
 起きるつもりはないようだ。

 ――もう、この子は……。

 しばらく触ってから、庭まで運んで寝かせておいた。

 入れ代わりでうちの猫がリビングに入ってきた。

 ――あれ? これって台風のときも……。

 リビングにボスとシマシマシッポがいるあいだは近づかずに、僕の部屋で寝ていたようだ。
 微妙に避けている感じがする。

「家の中で一緒になるのは嫌なんですか?」

 と手を伸ばす。
 うちの猫は先程までシマシマシッポを触っていた僕の手のにおいをクンクンと嗅いで、「カッ!」と噛みつく真似をしていた。
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小説家になろうに、猫のエッセイを投稿しています。
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